6.考察
6.1 評価実験の結果に関する考察
評価実験のアンケート結果に関する点で,評価が良い点として複雑でなく容易にシステムや使用方法について理解することが出来る点が挙げられる.他にも自ら得た技術の共有がしやすくなっている点も評価が高く,本研究の課題である開発ノウハウ共有という点においても良いと言える.逆に評価が悪かった点として,開発に必要な情報が十分だったかというものがあった.これは被験者によって共有する情報の差が出るからであると考えられる.
次に開発時間に関する点で,F-Systemを使用して技術を継承した場合に同一技術部分に関しては使用しない場合に比べて時間が平均で9分短縮されていることがわかる.また,開発時に検索によって調べる回数もF-Systemを使用していない場合と比べて1~2回ほど少なくなっていることがわかる.
これらより,改善の余地はまだまだあるものの,F-Systemを使用した場合に開発時間の短縮と誰かが開発した技術を共有することできるプルリクエストの作成が支援されていると考えられる.
6.2 システムに関する考察
改善していくべき部分としてCSSなどを用いてシステムの入力画面やWeb表示部分をもう少し使いやすく見やすいものにすれば,より開発効率の向上や内容の良いプルリクエストの作成に役立てることができると考えている.他にプルリクエストの送信部分で開発内容を入力する際に,どのように内容を書いてよいのかわからないという声があったので,書き方のフォーマットをより詳細にするかどのようなことを書けば良いのかを表示しておくなどすれば,利用者によっての共有する情報のばらつきを抑えることができると考えている.このばらつきによって利用者が容易に同様の開発を行えるかが変わってくるので,できるだけ詳細な情報をページに残せるようにしていくことが大切であると感じた.
システム面で追加していきたい機能としては,ソースコードを直接参照,またはページに表示することが出来るようにすることで,githubからクローンしてきてソースコードを参照しなくても開発が行えるようにしていきたい.他にも開発に必要な技術等をまとめたpdfファイルを使用することもあるので,画像の保存だけでなくそういったpdfファイルなども保存できるようにしていきたい.