8.おわりに
本稿では,GitHub Flow で定義されたルールの遵守状況の自動評価を目的として,ルールの改定を行い,実際に違反しているコミットやブランチ,プルリクエストが検出可能であることを示した.また,Webアプリを通して遵守状況を開発者にフィードバックを行った.
評価実験のアンケートから,本システムは,GitHub Flowを意識しながら開発し,違反をチーム内で指摘し改善を促すことに貢献することが出来たと言える.また,24リポジトリの解析では,約半分のチームの違反率が高く,GitHub Flowを遵守するためにサポートが必要な状態であることも見いだせた.
今後の課題は2つ存在する.1つは,違反判定精度の向上である.7.1節で述べたように,全てのリポジトリに対して正しい判定結果を得ることができなかった.もう1つは,違反検出後の開発者へのサポートである.現時点では違反を指摘するのみにとどまっており,違反状況の解決及び改善のサポートは行っていない.これらの課題を,より正確な判定方法の提案及びWebアプリの機能追加で改善する必要がある.